CHL学科での主な”問いかけ”

地域包括ケア時代、医療者が、地域に関わり、働きかける視点や発想を学ぶ研修プログラム「コミュニティ・ヘルスケア・リーダーシップ(CHL)学科」で何を考えるのか。要点をまとめて掲載します。

Day 1「関係者を同じ舟に乗せるダイアログ・スキル」
ファシリテーションの本質的発想を理解し、学びの基礎的能力を構築します。学習要素は、場のマネジメントです。ファシリテーションという考え方を通して、下記の問いに答えを探していきます。

  • 人数が多いと知識は豊かになる、けれども合意形成は難しいのはなぜ?
  • 何のためにファシリテーションが必要なのか?
  • よいファシリテーションと、悪いファシリテーションの違いはなにか?
  • 果たして赤の他人どうし”合意”できるのか?
  • 合意形成と意思決定の違いとは何か?
  • コンフリクトは「回避・解決」するものなのか?「歓迎」するものなのか?
  • アリバイ作りの会議は、「悪」なのか?ワークショップ疲れの本質とは何か?

Day 1では、グループワークとミニケースを通して、場のつくりかた、その目的や意義、デザインの仕方の選択肢を考えます。

Day 2「機能する多職種チームのつくり方、動かし方」
ともに働く仲間との関係構築、役割分担の考え方を学びます。学習要素は、チーム・ビルディング、チーム・ワークです。この日の問いは、下記のようなものです。

  • 医療は一人でできない、しかしチームでもできない。その本質は何?
  • チームは何のために必要なのか?
  • よいチーム/機能しているチームと、悪いチーム/機能していないチームの違いは何?
  • 機能するチームの副作用は?機能しないチームの効用は?
  • チームをささえる原理とは何か?
  • 果たしてチームは「マネジメント」可能なのか?

Day 2でも、ミニグループワークに続き、ミニケースを通して、チームとは何か、チームが成果をあげるために留意すべきコトや、調整のあり方に焦点をあてていきます。

Day 3「人を動機づけるヘルスケア・ビジョンのつくり方」
ビジョン構築の必要性、手順や、それを発想・デザインするための視点・視座を学びます。学習要素は、ビジョン構築、デザイン発想です。この日の主な問いは、下記のようなものです。

  • ビジョンは、何のために誰のために必要なのか?
  • 最初からビジョンがないと、“うまく”いかないのか?
  • ビジョンは、誰とどのように描いていくことが有利なのか?
  • ビジョンは、何に根ざして描かれたほうが有利なのか?
  • ビジョンは、可変か不変か?

Day 3から合宿2回目。本格的なケースを1日1本用いて、真剣に当事者として議論を深めていきます。この日は、「コミュニティの中で?コミュニティとともに?」というケースです。人口200万人都市の在宅療養支援診療所で働くソーシャルワーカーを主人公に、神経難病の患者さんが、住み慣れた場所に暮らし続けられるために、どのような戦略で、どのような仕組みを構想し、構築していけるのか、を問うものです。

Day 4「地域のチカラを活かす協創戦略のつくり方」
地域資源を特定し、エコシステム(生態系)を構築する戦略発想と手順を学びます。学習要素は、戦略構築、システム思考です。この日の主な問いは、下記のようなものです。

  • 戦略とは何か?どのような組織、状況に何故それが必要なのか?
  • 戦略の副作用とは何か?
  • 新たなニーズに対応するための戦略の本質とは何か?
  • 非医療者や住民とも一緒にまわる「新たな生態系」をどのように構築できるのか?

この日も、本格的なケースを1本用いて、真剣に当事者として議論を深めていきます。この日のケースは、「物語が人々を動かす」というタイトルです。人口5万人の地方都市にある、120床の市立病院に赴任してきた10年目の医師。義母の介護のため、子どもとともに妻の実家に引っ越してきた医師は、地域連携室をまかされます。この街をどう眺め、何を掲げて、誰と何をすべきなのか、を考えるケースです。

Day 5「持続可能な組織のつくり方とまわし方」
組織の光と影を理解し、ガバナンスやマネジメントなど、組織の要点を学びます。学習要素は、組織論、ガバナンスです。この日の主な問いは、下記のようなものです。

  • 組織は誰のものなのか?病院は誰のものなのか?
  • 組織の中で、正しいことを正しくやることができないのは何故か?
  • 医療における組織の特殊性はあるのか?それは何か?
  • 組織の持続可能性に影響を与える要因とは何か?
  • 組織におけるリーダーの役割とは何か?

を多面的に検討します。この日は、「成功する人間、継承する人間」と題するケースを利用します。グループ診療を行う在宅療養支援診療所に勤務する卒後15年目の医師を主人公に、カリスマ理事長の健康問題を機に傾きかける組織を、どのように分析し、何をするのか、を考えていきます。

Day 6「変革のためのリーダーシップ」
既存組織を変革する、地域生活をささえる新たな仕組みをつくるための発想法を学びます。学習要素は、リーダーシップ、組織変革です。この日の主な問いは、下記のようなものです。

  • 組織は変わることができるのか?
  • 組織の中で、人は変わることができるのか?
  • 組織文化とは何か?それを変えるには、どのような方略があるのか?
  • 組織が硬直化しないためには、何をすればよいのか?
  • 変化に抵抗する人には、役割はないのか?

などです。この日は、「大病院病」と題するケースで、人口100万人の都市にある800床の総合病院を舞台に、院長やシニアレジデントが、それぞれの立場で組織をどのように分析し、どのようなアプローチで、何を目指してアクションを起こすのか、を議論します。

Day X「ケアする力を高めるための地域の興し方」
地域のケアする力を引き出しさらに高めるための発想や、働きかけ方を学びます。学習要素は、コミュニティ開発、地域資源開発です。この日の主な問いは、下記のようなものです。(東京校のみ提供予定のオプション科目)

  • 医療資源に限らず、非公式な地域の力を“使う”ことはできないのか?
  • 地元の人たちを動機づけ、互いにささえあって“まわる”エコシステムを創ることはできないか?
  • 誰と何をいつやることが、合理的な“道筋”なのか、をどう判断するのか?
  • 地域の課題と資源を見極めるための要点とは何か?

この日のケースは「地域か?包括か?」というテーマで、地域包括ケアの本質を探りながら、地域の力を引き出し、高めるための方法論の幅広さを学びます。人口80万人の市内にある区が設置する地域包括支援センター職員(主任介護支援専門員の看護師)が主人公。地域で互いに助け合う仕組みづくりにまい進する隣の地域包括支援センターとの対比の中で悩み、行動を起こそうと決意する話です。

Day Y「課題を共有し仲間を増やすマーケティング」
地域が抱える課題を共有し、それを解決するための仲間を募り活動を拡げるための発想を学びます。学習要素は、ソーシャル・マーケティング。この日の主な問いは、、、。(東京校のみ提供予定のオプション科目)

  • どのように課題を明らかにし、誰にどのように訴求するのか?
  • “あなた”の活動に関わる人の動機をどのように用意するのか?
  • “あなた”の他者への問いかけや働きかけは、独善的ではないのか?
  • 総論に共感しても、協力行動をおこさない人は、一緒に活動をする対象なのか?

使用するケースは「小さな声を、社会に」と題して、人口12万人の総合病院で働く小児科医を主人公に、こどもの“心の貧困”について考えます。T-Day 5も、本格的ケースを使ってコミュニティ開発を考えますが、現在、ケースを再検討中です。両日とも、東京校でしか学べないエクストラの科目です。地域により積極的に入りこみ、活動をしたい方には、欠かせない科目です。

そして、最終日は、「医療を変える、社会を変える:医療者たちのアイデアピッチ」として、学びながら地元で進めてきた「マイ・プロジェクト」の公開報告会です。合宿のたびに学んだ要素を取り込み、受講生どうしが相互に指摘しながら磨きをかけてきたプロジェクトを対外的に報告することで、さらに取り組みを改善し、実効性のあるものにするものです。下記から、それぞれの会場での発表概要と質問をご覧いただくことができます。
第4期札幌校
第4期大阪校
第4期東京校
第4期福岡校

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